もくじ
こんにちは。パン作りが大好きなちとせです。
私はたくさんの人にパン作りの楽しさを知ってもらいたいと思っています。
そこで今回は、「今からはじめてパンを焼くぞ!」という方でも読めばすぐにパンが作れる記事を書くことにしました。
どんな材料や道具が必要なんだろう?
作り方やコツを知っておいしいパンを作りたい!
これを読めばすべて解決することをお約束します!
パン作りの基本の材料
基本的に必要な材料は
・強力粉(スーパーで購入できます)
・水(水道水、浄水でOKです。アルカリイオン水はNG)
・インスタントドライイースト
・塩(ご家庭においてあるものを使えます)
です。この4つがあればパンは焼けます。
その他に風味や焼き色を付けたり食感を変えるために様々な材料(副材料)を加えることがあります。
・砂糖
・バター
・スキムミルク
・牛乳
・卵
上記の中でも、砂糖とバターとスキムミルクは様々なレシピでよく使われている副材料です。
その他に混ぜ込む具材として
・ナッツ
・チョコチップ
・ドライフルーツ
などもよく使われます。
パン作りに必要な基本の道具
作業台
ペストリーボードとも呼びます。パン生地をこねるための板です。材質は木製や大理石製のものが主です。
台を収納するスペースがない方には、丸めて収納できるシリコン製のパンこねマットというのも売られているのでオススメです。
ボウル・ゴムベラ
こねる前に材料を混ぜるのに使います。もともと持っている方は、そちらを使っていただいて大丈夫です。
パン作りに便利なのはポリカーボネート製のボウルです。
透明で軽く、一次発酵中の生地の様子が外からひと目見て確認できるのでオススメです。
スケール(はかり)
しっかりと材料を計量することは、パン作りにおいて大切です。
計量できる最小の単位が0.1gのものを買うのが良いでしょう。
カード(ドレッジ)
パン生地を分割したり、ボウルや作業台にくっついた生地を集めるのに使います。
温度計
分量の計量と同じくらい大切なのがパン生地や発酵・焼成温度の温度管理。
ここでは2種類の温度計の使用を推奨しています。
料理用温度計
棒状の温度計です。仕込み水やパン生地の温度を測るために使います。
少し値は張りますが、赤外線で計測するタイプもあります。直接触れないため洗わなくてラクですし、衛生的です。
オーブン用温度計
オーブンの中に入れてオーブン内の温度を把握するために使います。
家庭用オーブンは実際に設定した予熱温度よりも低いことが多いので、実際の焼き上がりとレシピでギャップが生まれやすいです。
あるとないとではパン作りのレベルが変わってきますので、ひとつ持っておくことをオススメします。
クーラー
焼きあがったパンを冷ますときに使う網です。
ミトン(軍手)
パンが焼きあがった際に天板を持つために使用します。
麺棒
パン生地を伸ばす成形をするときに必要です。
クープナイフ
パンに切れ目を入れて火を入れやすく、または模様を入れるために使います。
剃刀や包丁で代用ができます。
定規
生地の大きさを測るために使います。
刷毛
照りを出すパンを作りたいときに、卵液を塗るために使います。
パン切り包丁
完成したパンをスライスするときに綺麗に切れて便利です。
クッキングシート
パンをオーブンで焼くときに天板に敷きます。
シルパットやシルパンというガラス繊維を編んで作られたくり返し洗って使えるオーブン用シートがあると便利です。
パンの作り方の流れ
パン作りの大まかな流れは以下のようになっています。
①ミキシング(こね)
②一次発酵(膨らませる)
③パンチ(ガス抜き)・分割・丸め
④ベンチタイム(生地を休ませる)
⑤成形
⑥二次発酵(再度膨らませる)
⑦焼成
それぞれの工程について詳しく解説していきます。
ミキシング(こね)
材料を混ぜてこねていきます。
大切なのはとにかくしっかりよくこねること。
生地の状態をよくチェックしてこねあがりを確認しますが、目安としては15分以上はこねましょう。理想は30分以上です。
しっかりこねることで、強力粉のタンパク質からグルテンというパン生地を膨らませるために必要な物質が形成されていき、キメの細かいふんわりとした生地になります。
グルテンの膜はイーストが発酵することで発生する炭酸ガスを包み込み閉じ込めて膨らむため、しっかりとこねることで均一で繊細な気泡が生まれます。
パン生地のこね方
パン生地のこね方がわからないという方は多いのではないでしょうか。
私がパンを初めて作ったときは「どうやってこねるんだろう?」と困りました。
正直、グルテンが形成されればなんでもいいので好きなようにパン生地を押したり伸ばしたりしていいと思います。
ですが、そう言われても訳が分からないと思うので、イラストで基本的なこね方を解説します。
作業台にこすりつける
バター以外の材料をボウルに入れてゴムベラで粉っぽさがなくなるまで混ぜ、台に生地を取り出してまとまりが出てくるまでこすりつけるようにこねることが多いです。
腕に力を入れるというよりは腕に全体重をかけて生地を作業台にこすりつけます。
また、手のひら全体ではなく親指の付け根~手首よりの部分に力を入れます。
両手でこねてもいいですし、こね始めはべたつきやすいので片手で生地を伸ばしつつ片手でカードを使い生地を集めてもよいです。
最初はベタベタしますが、根気よくこすりつけるようにこね続けるとやがて生地につながりが出てまとまりが出てきます。
バターは最初から入れるよりも、ある程度生地がまとまってから後で入れるほうがこねるのに時間がかかりません。
叩きつけて折る
こすりつけるようにこねてある程度生地がまとまり、生地が作業台からはがれやすくなってきたら台に生地を叩きつけるようにこねます。
叩きつけたら生地を引っ張りながら向こう側へ折りたたみ、90度持つ位置を変えて再度叩きつけ…という動きを繰り返します。
生地に弾力が出てきたら叩きつける力を徐々に強くしていきましょう。
高く持ち上げれば、生地の重みで自然と強めに叩きつけられるので最小限の力で楽にこねられます。
こねあがりを確認する方法
一次発酵(生地を膨らませる)
しっかりこねたら生地を丸めてボウルに入れラップやシャワーキャップ等で密閉し一次発酵をとり、生地を膨らませます。
一次発酵に必要な温度・湿度・時間
オーブンの発酵機能がある方は設定温度を30℃(25~30℃)で湿度は70~75%前後、所要時間は50分~60分です。
温度設定を30℃にしてもオーブンのクセ等で実際の庫内の温度は高かったり低かったりするので、オーブン用温度計等でしっかり庫内の温度を計測してオーブンのクセを把握しておくことが重要です。
パッサパサに乾燥しなければ、湿度に関してはそこまでシビアになる必要はないと思います。
一次発酵は室温でも可能です。
お手軽に湿度・温度管理をして本格的に一次発酵を取りたい方は発酵器を購入することをおすすめします。
メモ
発酵器はパン生地の発酵以外にも自家製酵母の培養やヨーグルト作りが出来ます。
発酵器を手作りすることもできます。
水切りかごや発泡スチロール、クーラーボックス、衣装ケースなどの蓋つき容器の中にお湯を入れた器を置くだけです。
その際にはしっかり温度と湿度をはかって調節をしてください。
一次発酵ができたかチェックする方法
一次発酵が完了すると、こねあげた時よりも生地が1.5~2倍の大きさになります。目視で分かります。
大きさの変化がわからないうちは、ボウルにかぶせたラップに上から生地の丸い形をなぞるようにマーカーで円を描くと確認しやすいです。
また、スマートフォン等のカメラで撮影しておくのもわかりやすいと思います。
フィンガーテストでしっかり確認
目視で確認する以外で一般的とされる一次発酵完了を確認する方法は、フィンガーテストです。
フィンガーテストとは一次発酵完了後のパン生地に指を刺した時の生地のへこみ具合で確認をする方法のことです。
フィンガーテストをする際は、指に強力粉をかるくまぶすとくっつきにくいです。
人差し指の第二関節くらいまで生地に突っ込んでください。
一次発酵が完了していなければ生地はへこまず反発して元に戻ります。
一次発酵が完了していれば刺した指の形に沈み、若干穴は小さくなりますがへこんだ状態が維持されます。
過発酵に注意
発酵しすぎた生地の状態を「過発酵」といいます。
過発酵状態になった生地は大きな気泡が表面に浮き出て見え、フィンガーテストで指を刺すと穴が開いた風船のように生地全体がしぼんでしまいます。
過発酵の生地で焼いたパンはその後の工程を経てもうまく膨らまず、おいしくありません。そうならないためにもしっかり一次発酵の温度と時間を管理しましょう。
パンチ(ガス抜き)・分割・丸め
一次発酵が完了し、生地がしっかり膨らんだら手のひら全体で押さえたり折りたたんだりして生地中のガスを抜きます。これをパンチといいます。
一次発酵中に発生した生地中の炭酸ガスを抜くとゆるんでいた生地が引き締まり、グルテンが強化されて、その後の工程でしっかり膨らみボリュームのあるパンになります。
また、一次発酵後の生地にはアルコールも発生しており、アルコールはイーストの活動を妨げます。
生地をつぶしアルコールをしっかり追い出してあげることで、イーストの働きを活性化させてあげるというわけです。
大きな気泡をつぶされた生地は小さな気泡が均一にいきわたった、きめ細かいパン生地になります。パンチの作業は必ず丁寧に行いましょう。
しっかりガスを抜いたらカードで生地を作るパンの個数に分割して丸めます。
丸める際は、切った断面を内側に包み込むように、ハリを持たせて丸めましょう。
ベンチタイム(生地を休ませる)
一次発酵でイーストを活性化させ、パンチで余分なガスやアルコールを抜き、分割して丸めたら生地をいったん休ませます。この工程をベンチタイムといいます。
ベンチタイムが必要な理由
生地を丸めると、生地に刺激が加わりグルテンが強化されて弾力が出ます。
弾力が強い状態で成形しようとしても、思うように生地を伸ばせません。生地がちぎれてしまう原因にもなります。
上記のような理由から、ベンチタイムはパン作りにおいて大切な工程のひとつなのです。
ベンチタイムをとってしっかり休んだ生地はさらに発酵が進み、ふわっと生地がゆるんで弾力がゆるまり成形をしやすくなります。
メモ
分割してそのまま丸めて成形が終了する丸パン等はベンチタイムを省くこともできます。
ベンチタイムの完了をチェックする方法
指で軽く生地をおさえてみて、指の跡が少し残るくらいがベストです。
成形
完成したパンの形を左右する、いわばサビの工程です。
作るパンによって成形方法は異なりますが、共通して言えるポイントは「生地を触りすぎず、手早く行う」です。
また、べたつくからと打ち粉(パン生地に分量外の粉をまぶすこと)をしすぎてはいけません。
打ち粉は最小限、もしくは使わないのがベストです。
二次発酵(最終発酵)
基本的に多くのパンは発酵を2回取ります。
1回目の発酵(一次発酵)は生地を十分膨らませ、風味豊かになる成分を増やすために行います。
2回目の発酵(二次発酵)は焼成したときに生地が最大限膨らむために行います。
メモ
温度は一次発酵の時より少し高めの35℃で行われることが多い(30~38℃)ですが、バターを多く練りこむクロワッサンやブリオッシュ、少量のイーストで作るパン(フランスパン・山食パンなど)は35℃よりも低めの温度で長い時間をかけて最終発酵をとります。
一次発酵同様、生地が乾燥しないよう70~75℃の湿度を意識してください。
焼成
予熱は重要!
きれいに焼くために重要なのはオーブンの庫内が焼成温度までしっかり予熱されていることです。
先述しましたが、オーブンの温度をしっかり把握することがおいしそうな見た目のパンを焼き上げることに繋がるので、オーブン用温度計があるだけで違います。便利なので持っておくことを推奨します。
個体差がありますが、オーブンに「予熱完了」と表示されても実際は予熱温度よりも5~15℃低いことが多いので、「予熱完了」の表示が出てきたあとさらに10分以上予熱を続けてみてください。
レシピ通りに焼けば大丈夫
温度管理がしっかりできればこちらのものです。
レシピ通りの温度と焼成時間で焼き上げましょう。
オーブンによっては焼きムラが出やすいので焼成中もオーブン庫内をよく見て、焼きムラが出そうであれば天板の向きを変えましょう。
天板の向きを変える際はオーブン内の温度が下がらないように手早く行ってください。
まとめ
私もパンを焼き始めてまだ歴は浅いですが、初心者の方のお役に立てましたらさいわいです。
パンが作れると楽しいですし、焼き立てのおいしさは格別です。
パンを手作りして人生を豊かに彩ってみませんか?
5000文字を超える長文になりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
誤字や情報の間違いがございましたらご指摘ください。
参考書籍
パン作りに困ったら読む本(池田書店)
あいりおーのお店みたいなパンレシピ(宝島社)
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