もくじ
クルトシュカラーチとは?
ある日、彼女からリクエストをもらいました。
「ハンガリーで食べた『クルトシュ』ってパンを焼いてほしい」と。
様々な書籍を読んで世界のパンを知ったつもりになっていた私でしたが、初めて聞く名前のパンでした。
調べてみると、「クルトシュカラーチ」というハンガリーのパンの情報が出てきました。
カテゴリー的にはシュトーレンやパネトーネと同じ発酵菓子
厳密にはパンというより焼き菓子の扱いのようですが、イーストを使って発酵させているのでシュトーレンやパネトーネと同じ発酵菓子のカテゴリーです。
「クルトシュカラーチ」の意味
「クルトシュ(kurtos)」は「煙突」、「カラーチ(kalacs)」は「ケーキ」という意味で、直訳すると煙突ケーキ。
その見た目はまさに煙突のような筒状でした。
クルトシュカラーチはバウムクーヘンのご先祖様
回転する道具を使って焼いている様子がバウムクーヘンの製造工程によく似ていると思ったら、バウムクーヘンのご先祖的存在の食べ物らしいです。
日本ではあまりまだ浸透していないようで、レシピを検索してみても見つけることができませんでした。
そこで、外国のサイトを漁り、ようやくレシピを見つけました。
幸いなことに複数ヒットしました。必死に翻訳しながらメモを取ります。
レシピによって材料や分量・製法に若干違いがあったので、作りやすいように複数のレシピの要素を取り込んでオリジナルレシピを組み立てました。
クルトシュカラーチのレシピ・作り方
材料(4~5個分)
【クルトシュ生地】
強力粉…250g
牛乳…120g
卵…1個(Lサイズ)
無塩バター…10g
インスタントドライイースト(金サフ)…3.5g
砂糖…30g
塩…ひとつまみ
バニラオイル(省略可)…3~5滴
【コーティング・トッピング】
無塩バター…30g
グラニュー糖…30g
使用する道具
500mlサイズのアルミ缶にクッキングシート、もしくはアルミホイルを巻いたものを型として使用します。
アルミホイルを使う際はバターやオイルスプレーなどの油脂を塗って型外れがよくなるようにしてください。
下準備
・クルトシュ用バターは室温に戻しておく。
・卵は室温に戻しておく。
・コーティング用バターを溶かしておく。
・オーブンを210℃に設定して予熱しておく。
オーブンの開け閉めでオーブン庫内の温度が下がることを考慮して、焼成温度よりも20℃ほど高い温度で予熱しておきます。
作り方
step
1クルトシュ生地のバター以外の材料を混ぜ、こねる。(10分ほど)
私は簡易的にホームベーカリーを使ってこねました。
step
2バターを加え、さらに10分こねる。
step
3発酵させる(30℃、60分)
クルトシュカラーチは一次発酵のみです。
約1.5~2倍になるまで発酵させます。
step
4めん棒で20㎝×50㎝くらいに伸ばし、1㎝~2㎝幅にカットする。
カットする際はピザカッターを使うと便利です。
step
5カットした生地を型に巻き付ける。
巻き終わりは中に入れ込むようにしましょう。
step
6焼成(190℃、12分)
12分~15分で様子を見ながら焼成してください。
今回は12分がベストでした。
step
7溶かしバターを塗り、グラニュー糖をまぶす。
シナモンシュガーやきなこ、ココアなどをまぶしてもおいしそうです。
焼きあがったら即座に溶かしバターを塗ります。
完成!
完成しました!画像の小さいサイズは350mlサイズ缶で作ったミニバージョンです。
クルトシュカラーチの食べ方
お紅茶といただきました。
くるくるをほどくようにして食べるのが本場流だそうです。楽しい!
クルトシュカラーチのカロリー・三大栄養素(推定値)
【4個作った場合、1個あたり】
カロリー…408㎉
タンパク質…10.5g
脂質…12.2g
炭水化物…61.5g
ハンガリーについてのコラムとハンガリーの美しい写真
リクエストをくれた友達がコラムを寄稿して、ハンガリーの写真を何枚か送ってくれたのでご紹介いたします。
コラム
聞いたことはあっても行ったことがある人は少ないのではないでしょうか。
今回は私のリクエストでハンガリーの伝統的なパンを作っていただきました。(ルーマニアやチェコでも伝統として受け継がれています)
この不思議な形のクルトシュを、まさか日本で、それも個人で作れるとは驚きで、それと共にドナウ川に想いを馳せながら鎖橋を歩いた日々がまるで昨日の事のように甦ります。
ハンガリーの首都はブダペスト、これはブダという街とペストという街が鎖橋(くさりばし)によって繋がれて、そう呼ばれています。
治安も良く、物価が安く、温泉が有名だったり、日本と同じく名前が姓+名だったりします。
今はコロナ禍で厳しいかもしれませんが、機会があればぜひ一度訪れてみてください。とても素敵な国ですよ。
Noel
ハンガリーの写真
エリザベート皇后がよく訪れた宮殿。
東欧ののどかな街並み。
「ブダ」と「ペスト」を繋ぐ鎖橋。
きらびやかな教会。
劇場。普段から芸術に触れる機会が多いのだそう。
セーチェニー温泉。日本と似ていて温泉文化が盛んなのだそう。
どこにも出かけられないこのご時世、おうちでパンを通して世界旅行をしてみてはいかがでしょうか?
ハンガリーのおいしいパン「クルトシュカラーチ」、ぜひ作ってみてくださいね~!!